考えたように玉が変化して、思ったところに投げられたら、それはコントロールが良いことになるのだろうか?野球家の事は知らないが。
やきものは熱による化学変化に他ならない。そこが不思議で面白い。
化学変化であれば、調整された市販の土、市販の釉薬、マイコン窯、平均的なテクニックがあれば出来上がりはほぼ同じであり、結果は想定できる。
従って100円ショップの陶磁器やカタログ販売の製品のような工場生産は、一工程分の仕事は殆ど均一に出来上がっているはずだ。
大量生産の農作物、加工食品にも同じことが言える。コントロールは確かであっても、どこに立って、どこに向かって投げるかが問題で、プロの仕事ではひとつ間違うと大変なことになる。
しかし、生産者も消費者も、そんな事に巻き込まれてばかりいると、”本来”が何だったか解らぬまま振り回されて勿体無いことになる。(勿体無い。とは他人が思うことで、本人が満足ならそれでいいのだが・・。)
明日のご予約のお客様のための食器が焼きあがった。 そば猪口とつゆ徳利。
今回は粉引で、妙高の土をブレンドしたボディから鉄がにじみ出る。ちょっぴり柚子肌の釉薬、弱還元とも違う中性焔。
電気窯購入から約5年超。決して上手くはないがようやく狙った玉が投げられるようになってきて楽しい。
これから、先ほど汲ませていただいた鮎正宗酒造さんの湧き水で出汁をとるのだ。 午後は近所の名人夫婦が蕎麦を打ちに来る。
そして明日は蔵元がホストの蕎麦会に、遠方よりのお客様をみんなでお迎えする。
自己満足ではなくて、こんなことに参加している自分達の自慢話というほうが正しい。これが”本来”であると信じたい。
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