プロ、アマの境
世の中いろんなプロがいます。いろんなアマチュアがいます。
「○○さんは、プロ顔負けの将棋指しだね〜」
「××のヤツ。アマチュアの風上にもおけないよ!」
「私は素人だから、そんなそんな。とんでもない・・」
プロとアマチュアの違いはなんでしょうか?
仕事に対してある一定のクオリティーと、プロ意識(Professional Spirits)を持っている人がプロと呼ばれるんだとしばらく前から思っています。
また人から言われるのではなく、言葉に出さなくとも自分にそういった意識の有る無しが最大の分岐点だと思います。
私は自分でプロと言うようになった
私が就職したての頃、「みなさんは今月末には給料が支払われます。今日かられっきとしたプロです。」と、”あなたはプロです”と人に言われてプロ(?)になりました。
しかしこのごろは「私はプロなので・・」と自分から名乗るようにする場面が出てきています。
就職後に言われた「あなたはプロですよ」の言葉は、「プロという名に恥じない仕事と、行動をしてください」という意味だったのだと思います。今の私は「プロです」と言うことで、「ただでは仕事はしません」と相手に訴えているのではなく、「誰よりも自分の仕事に責任とポリシーをもってやるんだ」という自分に対する戒めのようなものだと気づいています。
「商売はたいへんだ」った
私は過去に家業の商売を約20年やってきました。その実感として真っ先に口に出るのは「商売はたいへんだ」です。この「たいへんだ」の5文字に隠された思いは並大抵のものではありません。
過去をふり返ってもしかたないのでこれからの話しですが、この「たいへんだ」を乗り越えたから私はプロだ。と言うのではありません。大げさに聞こえるかもしれませんが、本業とは、そこに「命がかかっているかどうか」の問題だとつくづく思います。
(そうでない人もいますが、)世の中の大抵の人がそうであるように、なにもしないで気がねなくお金を使って好きなことばかりしていては、私もじきに破産してしまいます。だから経済活動をするわけです。好きな仕事をして、仲間と楽しくやりながら充分な収入が得られればそれにこしたことありませんが、そううまくいくはずはありません。お金をもらう行為は「苦」と「しばり」がなにかとつきものです。
しかし、そんなはずないぞ。そうはしたくないぞ。という強い想いは「たいへんだ」の5文字から経験上導き出されていることは確かです。現実、おかげさまで今現在は楽しくやっていますから。
ねおかんでやろうと思ったこと
私が商売を休業し、自由に自分の仕事を選ぶようにし、ねおかんで時間を使わせてもらいながら、地域の事、経済活動の事、物の価値観、人が楽しむ事、をじっくりと考えようと過ごしてきました。ねおかんの3年は「楽しい事、面白い事を種とするなら、そこから想いがどう生まれて来るか、じっくり発芽を待つワーク」だったと思います。
人は、「楽しいことがしたい」「面白い事が好き」「喜んだり、嬉しいと幸せを感じる」。それは、「好きな仕事にやりがいを持って取りくむ」「お客様が喜んでくれると、やっててよかったと感じる」ということの原点です。・・あたりまえのこんな事が普通にできれば、世の中もっともっと楽しく明るくなれるよね。という事です。
私は、ねおかんを設立する際、自分の調理や商売の経歴を表面に出さずに(事実飲食店をする気も全くなかった)、「ゆっくりと創ることの価値観」を素に、ものづくりや新しい体験から自分の生きかたを発見すること(スローライフ)を提供できる場作りをしたい、と考えていました。ただそれでは理解されにくいので、様々な事業プランがありました。しかし結果的には、ねおかんを拠点として何かが生まれ、何かが育ってくれることが最大の地域貢献と考えて活動していました。
育つために必要なもの
先日、タレントの東ちずるさんの講演をテレビ寺子屋で拝見し感銘を受けました。ボランティアの話題だったと思います。ボランティアすなわち自発行為。いままでよく解らなかったボランティアという言葉がちょっぴり理解できたような気がしました。
そして自発的にやることの意味は自分にしか解らないと実感します。
少し前に、仕事とお金に関係することを話題にしましたが、本当に大事なものは「楽しい、面白い、嬉しい、→幸せ」なんです。しかしお金が不足していると、この最も大事なものがすべて言い訳や、理由や、かなわぬ願望、不満に変わってしいます。
ねおかんは4年目を迎えて、自然とちょっと変わってきました。
楽しかった、面白かった、から、もっと楽しみたい。もっと面白くやりたい。になってきました。
もちろん私も。
今、いろんな自発行為が生まれ、それと関わりながらいかにして想いが育ち、いかにして想いを達成し、自分がプロである(「誰よりも自分の仕事に・・と書いた↑)ことを自覚できるか学ばせていただいているところです。
想いが育つために必要なモノも徐々に解ってきました。
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