妻に誘われて、超多忙の最中に行った、佐渡裕+シエナ・ウインド・オーケストラのコンサート。
実は、音の一発目が鳴り響くまで、佐渡裕氏がどんな方だったかも、オーケストラがブラスバンドだったってことも、全く意識の中になかった。という無頓着ぶりで知られる私である。
そして、コンサートの終了には涙ぐむほどの感動に酔いしれ、その数日後には30年前のクラブ活動を思い出し、憧れだったKINGのトロンボーンを購入。コツコツ練習に励む日が訪れたという逸話を持つ。
要するに、風呂のフタ(おっ、ここにも登場)を開けるまで中が水だろうがお湯だろうがどうでもいい。という性格なのだ。
IKEAレビュー
それは2010年3月4日。ちょうど一年前の思い出が蘇ってきてしまった・・。
幕張メッセで毎年開催されるFOODEX(食品の国際見本市)の仕事を終えて向かったのが宿の近くの東船橋にあるIKEA。一昨年に、都内周辺の雑貨屋、ギャラリー、アートワークの気になるスポットを数日かけて回る。という春の定例研修会のテーマを企画し、その時回りきれなかったIKEAが近くにあることを思い出したのだ。
「すごいところ」という噂だけは耳にしていて、行ってみたほうがいいとは思いつつも、「たかが家具屋でしょ?」的な思いもあったからパスだったのもある。そして風呂のフタを開ける時がやって来た。
駅に降りるなり建物そのものがカンバン。ブルーの外壁に黄色の文字。近づくにつれだんだん大きくなってくる。でかい!
エントランス。ガランとしてやはり巨大家具屋超。ま、とりあえず案内されるがままにエスカレーターで2Fへ。とりとめて凄いという印象はない。(そうそう、チェックだけして最後にピックアップしてくれるというサービスは知っていた)
順路らしきものが目に入って来る。そして進む。進む。
進むうちにその規模の大きさに気づき始める。ここまで見せられるともはや中毒。選びたくなってくる。しかもどうも安そうだ。と気づき始める。
気が効いている。テーマ毎にセットされた部屋には、家具や内装にとどまらず、小物、ライフスタイルまで提案されている。そして、家族で行った時にはお母さん、お父さん、そして子どもと興味の対象が違うことに対するケア。途中の休憩所、一本道の順路、そして売り場のショートカットにいたる配慮など、この膨大な店内を歩かせるお客のストレスを最小限にするための工夫は見事なものだった。
基本的に私は、これでストアロイヤルティ的に大肯定なのである。
感心しきりで、ようやく2F売り場のコースを終了することができた。ただの家具屋と思っていた自分にイノベーションを与えてくれた。実は、これで終わりだと思っていたのだが・・。
iKEAの食事
無頓着ぶりをさらけ出す。
続いて目に入ったのが、IKEAのレストラン。まぁ、デパートに併設のよくあるレストランか?程度に思っていたのがさにあらず、完全カフェテリア形式のドデカイ食堂。そこでようやくIKEAが流行りの北欧風ショップであることに気づく。(私はきっと普通の人の逆をいってる)
白いソースの魚料理や、酢漬け、チーズ、クネッケ、シュリンプ、サラダ、スープに甘い菓子類、ドリンク・・。値段も安めな入り口メニューに、ちょっと今風な子どもっぽいサービスかと思ったらさにあらず。ピックアップの快適さから片付けのセルフサービスに至るまでの気配り。そして、その客席フロアにもいろいろなテーマとそれにマッチしたチェア、テーブルがあり、これまた驚かされた。さらにこの広さ。
会員向けサービス、子供連れのサービスも行き届いている。 料理のうまいまずいではなく、「顧客と食事」をよく理解している。
メンバーズカードを作った話
私がしない事の自慢の一つに「衝動買い」がある。買い物については冷静なのだ。その私が、このあとたっぷり買い物をしてしまったという話。
レストランを出た私は、感心にひたりつつ、やれやれ。と帰ることに。ここは2Fだから・・とエスカレーターで降りる。したら・・・なんと、ここからが先ほど回った順路ほどのショッピングフロアが展開されているではないか。巨大な黄色いショッピングバッグに、そのバッグすらもいっぱいになったらお使いください、というカート、発送用のご案内・・、もう買うしか無い。もちろん安いし品質が及第点であることは先程2Fのレクチャーでたっぷり解っているのだ。
あれよあれよという間にかごは一杯に(もちろん必要なものを厳選して)。行ったことのあるかたはご存知だと思うが、巨大ピックアップ倉庫みたいなコーナーを最後に通過し、ベルトコンベア式のキャッシャーへ。
なんだこの世界は・・。
もうなすがままの状態で、メンバーズカードを作ることに。それはそうだ、今回の買い物からメリットがあるし、今度は「しっかりと欲しい物を決めてこよう」とショッピングフロアで心に刻まれているのだ。しかもレストランの会員サービスがお得なことも知っている。
メールマガジンも選んだ。たまにメンバーズカードを眺めては思いを温める。
たった一度きり、数時間、しかも全くの予備知識無しでたっぷりの買い物+カードまで作ってしまったという驚異のマーケティング。サービスマネージメント。私はあの時のカルチャーショックを、あれからちょうど一年、何人の人に熱く語っただろうか。そしてそのたび、IKEAは私の文化となっていくのだ。
(しもた。誉めすぎたようだ)
もし、行ったことがない方がいれば、IKEA。是非行ってみてください。IKEAのウェブサイト
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