グリーンツーリズムと私 =4(最終)=

《4.(最終)これからの課題》

●「一緒」と「学ぶ」がイメージできればいいなぁ

”一人旅”は観光として成り立ちますね。ところで、アウトドア好きな人が一人で田舎の大自然に飛び込んで行く旅もありますが、私が思い描いているグリーンツーリズムのイメージとは少し違います。
グリーンツーリズムと言えば、お父さんお母さん、そして子供。できればおじいちゃんやおばあちゃんもいたり、親戚も一緒に。たまにはご近所さんとも。そんなイメージがいいなぁ。(実際は修学旅行が多いようですね)


私はそれなりにいい年ですが、あるきっかけでお隣の上越市の大学で”物づくりを通した教育”を勉強することになりました。そこで得た事は、第一に「学ぶ」ということの意味だったと思います。私が子供の頃の”教育”の違いにも関心しましたが、同時に自分の物の見方を確かめる良い機会になりました。


大学では「自らが考えたり、問題を解決しようとしたときに得る経験。その発見こそ”学び”である」と学び、実感できました。そして発見できた時の嬉しさや、人から教えてもらって出来たことと結果は同じでも、その価値は何ものにも代え難いものがあると改めて感じたのです。それは、先生は課題を与えて学生に任せ、学生の自発性に頼ればいいという事ではありません。その都度、気づける素材を与え、好奇心を膨らませていく事なんだろうと私は思います。


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それからというもの、私は時間をかける事とうまく行かない事が以前より苦にならなくなりました。目標が達成できないと失敗だという考えも薄れました。
また、私が行っている料理やコンピュータの教室でも、「目標達成より、目的がちゃんと見えているか。またそれにどういう姿勢で取り組んでいるか」に重きを置いて、自分の中でふり返りながら進めるようになりました。

ところで、グリーンツーリズムも同じではありませんか。私は、グリーンツーリズムにおいても、その道のプロや先人が経験し学んできたことを、メニューとして与える事ではなくて、気づける素材を提供し、そこからお互いの知恵や協力によって何かを発見していくような素敵なプログラムがいいなぁ。と思っています。
「次は田植え体験ですよ〜。稲はこうやって植えないと倒れますよ〜。」というのは、私だったら正直なところ面白くありません。


●グリーンツーリズムをプランするなら

正直グリーンツーリズムについては勉強不足です。だから「本来のグリーンツーリズムはこうあるべきです」と言ってくださるかたがいたら耳を傾けたいと思います。
しかしあえて、こんな私が場を提供することになったらどうするか考えてみました。
テーマとして、家族や時間、発見、学び、というキーワードは使いたいです。やはり、昔とは違う現代社会だから、「わざわざつくる特別な時間は、家族が一緒に”何かを発見できる時間”でありたい」と強く思うからです。
そしてもちろん食は大切にしたいです。やはり一緒に食べる食事は楽しいし幸せです。これによって家族が一緒に感動したり、発見したり、その中に絆や共通性が生まれてきたら、もっとみんながお互いに興味を持てるし、地域社会においても他人を尊重し、出逢いや共有をいとおしく思えるのではないかなぁと思います。
みんなでイマジネーションを膨らませながら、発見できる喜びを体験しよう!


ところで、食育という言葉を頻繁に耳にします。調べてみたらこうありました。→「食育とは、・・・単に望ましい食習慣のための知識を身につけるだけでなく、食卓での一家団らんを通じて社会性を育んだり・・(小泉内閣のメルマガでした)」。現代が求めているものは、行き着くところ同じところなのですよね。


●この先の宿題とさせてください

角度を変えて考えても、依然として商業ベースの観光とグリーンツーリズムには隔たりを感じます。お金をいただいてメニューを作るにはそれなりの知識やポリシーも必要だと思います。そうすると、何が主体になって、どうやってそれを進めて行けばよいのでしょう。目指すグリーンツーリズム像についても共通認識を持っていないといけないでしょう。
また、私の中では、「個人ベースで、個と個がいかに繋がるか」という事と「”家族”の存在価値」との整合性も解決していません。
「見知らぬ人との新たな繋がり」と、「身近な人とのより強固な繋がり」と”繋がり”に当てはめてもみましたが、なんとなくしっくりきません。


様々な形で、人や地域や食と関わってきた私にとってのグリーンツーリズムは、冬季観光の補間をきっかけに登場してきた、グリーンシーズンの体験交流旅行という単純なものでは収まりそうにありません。グリーツーリズムという言葉が過去の流行となり新しいブームが生まれたとしても・・。
解決の糸口はこれからのねおかんで見つけていければと期待しています。
「グリーンツーリズム」「スローライフ」「食育」それに「地域」、それらが「ビジネス」とどう関連しているのかについても。
魅力ある資源いっぱい持っている妙高地域だけに(そして課題も)、これからも私とは切っても切れないテーマだと思います。

グリーンツーリズムと私=1==2==3==4=


【インデクス】
=1= 観光→3つの回廊→4つのツーリズム。今までをふり返る
・自治体の施策と私の関わり・”新井”から”妙高”へ。観光の移り変わり・認知されつつあるグリーンツーリズムというキーワード

=2= 食からスタート。個と個の繋がりが私のテーマ
私にとっては食がスタート・精神的繋がりはビジネスをイメージしにくい・個と個の繋がりがずっとテーマだったことを確認

=3= 「個食問題」で混乱!?
・気づいたら矛盾が・・不安になりました・”個食”の意味とそれが無かった昔の話・”個食問題”に立ち返ります。

=4=(最終)これからの課題
・「一緒」と「学ぶ」がイメージできればいいなぁ・グリーンツーリズムをプランするなら・この先の宿題とさせてください

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2006年07月02日 21:37に投稿されたエントリーのページです。

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